情報誌 F-ACT(ファクト)

(公財)ふくい産業支援センターは、情報誌「F-ACT(ファクト)」を奇数月25日に発行しています。 F-ACTでは、企業の方の関心が高い経営課題や、昨今話題となっている経済トピックス等を取り上げ、先進事例や使える施策情報などを紹介しています。 F-ACTを活用し、企業経営のヒントを見出すとともに、皆さまのモチベーションアップにつなげてください。

Vol.001/2013.06.25 首都圏へ売り込め  福井県アンテナショップのご案内

「福井の逸品」をエントリーしよう!
  福井県アンテナショップ『食の國福井館』と『ふくい南青山291』では、商品エントリーシステム等により、ショップを通じて県内企業の首都圏における販路拡大を支援しています。
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アンテナショップでの陳列・販売エントリーは、コチラから

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 アンテナショップでは毎月1回、第2水曜日に見分け会を実施し、エントリーされた商品をテスト販売するかどうかを判断します。そして、テスト販売を行うこととなった場合、『ふくい南青山291』または『食の國 福井館』で約1か月間テスト販売を実施し、その結果を見た上で、お取り扱いの最終判断を行います。なお、テスト販売や店頭販売に至らなかった場合、商品やパッケージ等に対するアドバイスを添えてご連絡します。
  そのほか、年に2回程度、嶺北・嶺南地方で情報交換会を開催します。情報交換会では、アンテナショップの活用方法や求められる商品の説明のほか、実際に出品されている商品の企業プレゼン、個別相談を実施します。第1回目は6月4日、5日に開催済ですが、第2回目は秋頃に実施する予定で、開催時期近くにホームページで情報を公開します。
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『ふくい南青山291』内のビジネスサポートセンター(貸ブース)入居者を募集中!
対  象:東京での販路開拓等に関する具体的な計画を有する県内中小企業等
募集企業:2社
ブース企画:約1坪(机、椅子、電話・FAX等の設備あり)
利用料金:25,000円/月
保証料:75,000円(入居時に前納、退去時に返還)
利用期間:原則1年間
申込方法:所定の利用申込書を提出(面接審査あり)
申込期間:~7月10日(水)
問合せ先:県産業政策課 TEL0776―20―0366

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Vol.001/2013.06.25 若手のチカラ。シニアのチカラ        【若手】株式会社 ALL CONNECT

若手のパワーでチャレンジを続ける会社、
ベテラン社員の熟練の技が光る会社、若手とシニアの連携で新規事業に取り組む会社等々、
“社員力”から成長企業の元気の源を探ります。
〈楽しさ〉で社員一人ひとりの力を引き出す
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研修の一コマ。活発なワークショップも行われます。


 平均年齢27歳。まさに〈若手の力〉に満ちている企業が、福井市に本社を置く株式会社 ALL CONNECTです。「ウェブ販売代行」という未開拓の市場に早くから取り組んで業績を伸ばし、2015年度には売上高100億円を目標とする同社。その原動力は、単に「平均年齢の若さ」だけに留まらない社内の雰囲気作りにありました。発想の源について代表取締役の岩井宏太氏に伺うとともに、現場で働く社員のみなさんにも仕事の手応えについて尋ねてきました。
楽しさの仕組みを作り
成長のスピードを促す

  同社が主力としている「ウェブ販売代行」とは、言い換えると「オンラインショップの営業部」をアウトソーシングで受託する業態です。クライアントは、インターネットで物販やサービスの提供を考える企業。ウェブサイト(オンラインショップ)の構築だけでなく、サイト流入チャネルの最適化、コールセンターのような顧客サポートなどをワンストップで引き受け、成果報酬型での取引を行っています。
 同社ではこうした業態を「営業会社」と表現、「世界最高の販売ソリューションを目指す」をスローガンに積極的な営業活動を続けています。採用活動にも勢いがあり、2013年度新卒採用は26人、来年度には50人の新卒採用を見込んでいるそうです。
「営業会社のいちばんの資産であり、投資先でもあるのは〈人〉。人のパワーを引き出すものは〈楽しさ〉に尽きますし、仕事が楽しくなる仕組みを作れば成長のスピードも速くなります。せっかく社会に出て40年働くのですから、少しでも楽しい方がいいと思いませんか?」仕事とは本来楽しいもの。好きなことをたくさん考える時間があれば、つらくても乗り越えていける――と熱い口調で岩井氏は訴えかけます。
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コンタクトセクション。
取扱商品の説明・受注だけでなく、お客の反応から見た改善点や戦略のヒントを
プロジェクトマネージャーや、同チーム内に提案する役割も担う


課題解決力を鍛える
ゲーム仕立ての内定式

  岩井氏の信念といえる「仕事に楽しさを」を象徴する最近の出来事として挙げられるのが、2013年度採用内定者向けに実施したゲーム仕立ての内定式。昨年10月に行われたこのイベントは、えちぜん鉄道沿線を舞台に、グループごとに出されるクイズに答えながら内定証書授与式の会場を目指すというものでした。この数年、ビジネスキーワードとして注目されている「ゲーミフィケーション」(=課題解決や顧客忠誠度向上を目的に取り入れるゲーム的手法)型の内定式です。
「当社の『ブランディングコミュニケーション室』が主体となって企画しました。いくつかのメディアにも取り上げていただいたことで、学生同士の口コミも広がり『オールコネクトは面白いことをやっている会社だ』という評判が確立しつつあると感じています」
 もっとも、ただ楽しいだけのイベントではありません。内定証書をもらうというミッションを通じ、プロジェクトの起承転結を経ることで得られる成功体験や地頭力の訓練につなげているねらいもあるといいます。
「新卒の同期が30人近くいると、ふつうは同期がいくつかのグループに分かれて行動してしまいがちです。内定式には、横つながりの人間関係を形成するという目的もありました。今後、部署の壁をこえてプロジェクトを進めていくうえでも、このとき結ばれた絆がプラスに働くと期待しています」
不透明な時代だから
個の〈実力〉に力点を

  岐阜県出身の岩井氏が同社を設立したのは、福井工業大学を卒業してすぐの2005年4月。大学で経営学やITを学んだ経験を生かし起業した経緯もあって、設立当初は社員に無理を強いたこともあったと振り返ります。
「自分で会社も作るし、営業もするしウェブサイトも作るしと、一人で何役もこなしてきた自負があったので、社員にもそうあることを求めてしまっていました。〈社員に経営者的視点を求める〉という考えですね。でもそれでは企業は伸びていかない。〈企業の成長は社員の成長から〉といわれるように、社員一人ひとりの成長基盤を整えることこそ、経営者の努めだと気づかされたのです」。盤石を誇るとされた大企業の経営難を見聞きすることも少なくない昨今。岩井氏も、不透明な時代で信頼できるものは、技術や知識、人脈など、自らの成長で身についた実力しかないと言い切ります。
「誰かの人生にプラスをもたらすことができるって素敵なことですよね。そのうれしさが、この仕事を続ける大きな原動力になっているんです」
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後列左から、前田知也さん、橘雄大さん、大連達揮さん、
下段左から、岩井宏太さん、荒木史唯奈さん

社員の声
大連達揮さん(人事担当)
「楽しく仕事できる環境作りをする立場ですばやい判断が求められますが、マイナスの疲れ方をすることはありませんね。学生時代にベンチャー企業への就職を考えていたので、このスピード感が心地いいのだと思います」
荒木史唯奈さん(コールセンター担当)
「入社2年目です。入社を志望したのは、就職説明会で先輩の話を聞いたのがきっかけでした。計3社から説明を受けたのですが、その中でいちばん熱心だったのが弊社でした。先輩の言葉から『自分の仕事に誇りを持っている』姿がすごく伝わってきたんです」
橘雄大さん(デザイン担当)
「県内外のセミナーに参加させてくれることはもとより、その知識を社内でアウトプットする場を設けてくれる雰囲気がうれしいです。誰かにものを教えることは自分の知識の棚卸しや、本当の意味で効果のあるデザインを追求していくことにもつながりますから」
前田知也さん(システム開発担当)
「社長がよく言う言葉に『物事は成功すれば120点、失敗しても100点、何もしなかったら0点』というのがあります。社員にとって、その言葉はすごく大きな支えになりますね。失敗を恐れずまずやってみよう、という前向きな気持ちで仕事に取り組めます」
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ブランディング・コミュニケーション室 プロジェクトリーダー 吉田有美香氏(左)
代表取締役 岩井宏太氏(右)



株式会社 ALL CONNECT
福井市大和田町60-4-11
代表者:岩井宏太氏
資本金:4700万円
事業内容:ウェブ販売代行事業、ITソリューション事業、OEM事業、パートナー事業、メディア事業
従業員数:240名
TEL:0776-31-2100

Vol.001/2013.06.25 若手のチカラ。シニアのチカラ        【若手+シニア】武生特殊鋼材株式会社

文部科学大臣表彰受賞の技術力を次世代へ継承
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  越前打刃物の里として知られる越前市。武生特殊鋼材株式会社はクラッドメタル(異種金属接合材)の製法特許を基に、1954年にこの地に創業。刃物用鋼材メーカーとして金属複合材料を手がけ、独創的な製品を開発してきました。その優れた技術力は、「平成25年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」において、科学技術賞(技術部門)と創意工夫功労者賞を受賞。受賞に至ったベテラン技術者の取り組みや技術継承への思いと、培ってきたものづくりの技と心を受け継ぐ若手社員の意気込みを伺いました。
失敗を繰り返しながら
歳月を経て花開く技術

 文部科学大臣表彰の科学技術賞に選ばれた、山本氏と神門氏。強靱性と錆びにくさ、耐摩耗性に優れた刃物素材を生みだす〈均一組織のステンレス刃物鋼の開発〉が高く評価されての受賞となりました。
「硬さと粘りという二律背反する要素を兼ね備えた材料はできないか、というのが出発点。従来の溶解法ではなく、一旦溶かしたものを粉末化することで均一組織のステンレス刃物鋼を実現しました」
  営業の神門氏と二人三脚で技術を錬磨してきた山本氏は、開発の道のりをそう振り返ります。
「この技術研究は約30年かかって日の目を見たもの。当社にはそうした技術が常に何種類かあり、時間をかけて花開いていく感じです。千回やって、成功するのは三回程度。開発は常に失敗の繰り返しなんですよ」
 そう語る神門氏は、今年で80歳。現在は監査役として若手の活躍を見守っています。
  一方、田中氏は、文部科学大臣表彰で創意工夫功労賞を受賞。従来は1枚ずつ切断していた鋼材を15枚重ねて一度に切断し、乾燥、積み込みまで行う自動装置の考案が評価されました。
「この装置で、コストや時間、労力を大幅に削減することができました。ものづくりにあたっては、常に+αの工夫を考えながら作業するようにしています」
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ドクター制度を創設し
ベテランの経験を伝授

  当社は、10数年も前に高齢者雇用制度の一環として独自のドクター制度を設置し、定年を迎えたベテラン社員が、若手や途中入社社員の技術レベルを高めつつ、メンタル面でのサポートも行っています。長年にわたり様々なオリジナル設備の開発に携わってきた田中氏は定年後、熟練技能を評価されてドクターに就任し、後輩の指導にあたっています。
 高いレベルを維持する開発力の秘訣は、そうした教育面での積極的な取り組みと、同社のキーワードである『限り無くオリジナリティ、限り無く本物志向』にあると河野社長は語ります。
「創業以来、変わらず鋼材の技術開発に専念し、社員がそれに没頭できたからこそ今があると思っています。また、顧客である鍛冶屋にダイレクトに接しているから、市場のニーズを的確にキャッチし、製品づくりに反映することができたという利点もありますね」
  現在、同社は刃物用クラッドメタルで国内シェア60%を確保。アジアを中心に海外販売も好調で、売上高の25%を海外向けが占めるまでになっています。グローバル化が進む中で、若手社員はベテラン社員の活躍と後継者育成への取り組みをどのように受け止めているのでしょうか。
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『温故知新』を大切に
若い世代が技術を継承

 国内外の営業全般を管轄する河野専務は、現在35歳。技術継承について、このような持論を語ってくれました。
「技術というのは、継承しにくいもの。先輩方から知識や経験に潜むコツのようなものを伝えていただき、自分なりの感性で噛み砕いていくのが大事だと思っています」
  そんな河野専務のブレーンとして、設備保全や知的財産権の管理などを担当する大久保氏にも話を伺いました。大久保氏は31歳。部署にはジュニアドクターの田中氏が所属し、チーム全体で業務の向上を図っています。
「長年のキャリアを誇る先輩方から様々な話を聞くことで、間接的な経験を増やし、自分も成長していきたいですね」
 工程検査に加え、3年前から営業を兼務する坪川氏は、まだ29歳。顧客のニーズを肌で実感する日々の中、ものづくりに対してこんな思いを抱いていました。
「『温故知新』を大切にしたい。先輩方の話からインプットしたものを新しいカタチにアウトプットして、新旧の発想をミックスしていけたらと考えています」
  同社の標語は、〈会社はファミリィ、企業は活力〉。その言葉通り、ものづくりの技術と精神は、親から子へと受け継がれるDNAのように次の世代へと確かに継承されているようでした。
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左写真:文部科学大臣表彰受賞者
 科学技術賞:監査役 神門桐郎氏(左)、取締役副社長 山本工氏(中央)、創意工夫功労者賞:田中道行氏(右)
中央写真:代表取締役社長 河野通亜氏
右写真:企画設計部次長 大久保博之氏(左) 取締役専務 河野通郎氏(中央)、技術部技術課課長 坪川 翼氏(右)
武生特殊鋼材株式会社
所在地:越前市四郎丸町21-2-1 
電話:0778-24-3666
代表者:河野通亜氏  
資本金:5,000万円  
従業員数:45人
事業内容:クラッドメタル(異種金属接合材)の製造・販売等

Vol.001/2013.06.25 完成への道のり  第1回 株式会社ファインモード

商品はどのようなプロセスで完成されていくのか。
企業によるアイデアの創出から新商品誕生までの
開発ストーリーを紹介します。
市場ニーズをすくいあげ女性向けレギンスを開発
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商品のパッケージ、パンフレットも完成しました。


  大手メーカーの生産拠点が海外にシフトするなど国内製造業の事情が激変する中、自社製品開発に取り組む中小のメーカーが県内でも増えています。ここで紹介する株式会社ファインモードもその一つ。「OEMで培った技術で自社製品を」と社外ブレーンとのコラボレーションで女性向けレギンスを開発、このほど『i+f』(イフ)のブランドで販売を始めました。「レギンスの選択肢は多くない」という市場の現状を背景に企画がスタートした同商品。発売までのエピソードを、代表取締役の上坂達朗氏に伺いました。
辛口の評価を受けた
男性向け製品が端緒

 自社製品の開発を、と話が持ち上がったのは4年前のこと。最初に手がけたのは、編み立てレギンスの技術を活用した男性向けインナーウェアでした。
 もっとも、当初は通常業務の合間を縫って年間2回ほどの試作を行っていた程度。地元商工会議所の紹介で参加した『soco coco(地域産品販路開拓機会提供支援事業)』(※)にて、首都圏の百貨店バイヤーやインテリアデザイナーにプレゼンをしたものの〈商品としての完成度〉の観点から、辛口の評価も受けたそうです。
  ところが、何が幸いするかわからないもので、その男性用インナーに注目した一人の女性がいました。それが、『i+f』の企画に深く関わることとなる、ブランディングプロデューサーの福田真弓氏です。
「東京にいる福田さんから『商品に興味がある』と、ある日突然電話がありました。それで福田さんのことをネットで調べたら『丹南産業フェア』に講師としてくることがわかったんです。商工会議所の方のご紹介でお会いすることができて、それをきっかけに女性用レギンスの開発が始まりました。昨年の6月ごろの話です」
  プロジェクトにはほどなく、ふくい産業支援センターデザイン振興部が実施する「デザイナー派遣事業」から、テキスタイルデザイナーの三木あい氏(越前市在住)も参加。海外大手アパレルメーカーのデザイナーとしても活躍する三木氏の手により、雪の結晶やフクロウ、ハスの花など〈秘密にしたい福井のパワースポット〉をテーマにした5つのデザインができました。
 商品化にあたりいちばん苦労したのは、三木氏が起こしたデザインを「はいたときに美しく見えるように」調整することでした。
「図面と実際にはいたときでは、模様の見え方にずいぶん差があるんです。最初に試作したフクロウ柄は、実際にはくと柄が伸びて『となりのトトロ』みたいでした」。納得のいく見栄えになるまで、それぞれの柄について3~4回は試作を重ねたのだそうです。
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(左)テーマは「柔らかな菊の花びら」。優しさと愛情、気品、美しさを表しています。(右)テーマは「銀世界に舞うコウノトリ」


「話が来たらすぐ動ける」
普段の体制作りが大切

 今年4月下旬から、福田氏の故郷である広島県のセレクトショップで『i+f』のテスト販売がスタート。初回出荷の100枚は早々に在庫切れとなり、取材時(5月上旬)には追加オーダーに対応している真っ最中でした。好調な滑り出しの背景を、上坂氏はこのように説明してくださいました。
「ブラウスやスカート、靴に関しては非常に多くの選択肢があります。でも、レギンスは必ずしもそうではない。1着数万円の服を着ている人も、ファストファッションでコーディネートしている人も、一様に1本1000円~2000円程度のレギンスをはいているという現状があるのです」
  鮮やかな発色、そして同社の巻き縫いの技術を応用した縫い目の目立たないリバーシブル仕様。しかもそれを1本8000円という価格で提供する――コストやロットの面で大手が参入しづらい現状に風穴をあける存在、それが『i+f』というわけです。
「福田さんと出会って1年足らずで『i+f』を世に送り出せたのは、支えてくださる方とのご縁、タイミングが重なったからだと感じています。商品はいきなりできるものではありません。チャンスが訪れたときすぐ動けるよう、自分たちが持つ技術で、少しずつ動いていたのがよかったのでしょう」
 当面の目標は、出展審査が厳しいとされるファッション業界の合同展示会『ROOMS』(年2回東京都内で開催)でのデビューだそうで、それを突破口に首都圏のセレクトショップや百貨店に打って出たいと上坂氏は意気込んでいます。
(※)中小企業庁による事業。「全国各地の中小企業が開発した商品を、全国に広める機会をより多く設ける」をテーマに、全国主要都市の百貨店で『soco coco』というブースを設け3ヵ月~6ヵ月展示する。
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アイロン掛けや梱包作業まで、一貫した縫製作業を行っています。

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代表取締役 上坂達朗 氏
株式会社ファインモード
越前市行松町17-3-2
代表者:上坂達朗氏
資本金:300万円
事業内容:縫製加工
従業員数:20名
TEL:0778-22-8034   

Vol.001/2013.06.25 事業承継のススメ  第1回 どうすればいい?事業承継

 読者の皆さん、こんにちは。中小機構北陸 事業承継コーディネーターの竹川です。皆さんは「事業承継」と聞いて何を連想するでしょうか。会社の株式対策のことでしょうか。それとも後継者の問題についてでしょうか。事業承継と一言で言っても幅も広く問題の深さも深く、100人の経営者がいれば100通りの事業承継の問題があります。本連載は3回シリーズですが、第1回目は、「事業承継問題」の現状や早期の取り組みの必要性について解説するとともに、事業承継の具体策についてお話ししたいと思います。
1.事業承継問題の現状と事業承継対策の必要性
事業承継問題の実態
 まずは、図1をご覧ください。小規模企業の代表者の平均年齢が年々上昇していることがわかります。中小企業経営者の高齢化が進行している実態が浮き彫りになっています。
  事業承継対策を怠ったために、経営者の急死など相続紛争に発展し会社の業績が悪化してしまったケースも存在します。中小企業にとって事業承継はとても重要な課題であり、円滑な事業承継のためには事前の準備が必要なのです。
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図1:資本金規模別の代表者の平均年齢推移


事業承継対策をしないとどうなるのか(ケース)
(1) 経営権の委譲が進まず、メインバンクからの信頼を失う。
(2) 事業承継の準備を軽視し、そのうちに現経営者の判断能力が低下してしまう。
(3) 経営者が高齢であるために、取引先・従業員からの不安感が高まる。
(4) 事業承継対策しないまま経営者が亡くなり、お家騒動に発展する。
(5) 株式が分散し、経営権が第三者に脅かされる。
早めの取り組みが重要
 前項でみたように、対策を行わず大きな問題に発展するケースが多く見られます。早めの取り組みを行うことによって事業承継が円滑にすすむ可能性は格段に高くなります。事業承継対策は、経営者や家族だけの問題だけではなく、従業員や事業そのものに関わる問題でもあるのです。
2.事業承継の具体的対策とは?
何を承継するのか
  図2をご覧ください。上段は分かりやすいので省略しますが、下段の「目に見えにくい経営資源の承継(知的資産)」は「?」と思われる方が多いのではないでしょうか。「知的資産」は、貸借対照表に記載されない無形の資産であり、企業における競争力の源泉である人材・技術・技能・知的財産権・組織力・経営理念・顧客とのネットワークなど、「目に見えにくい」経営資源の総称です。この知的資産の承継がいかに大事であるか、第3回で詳しく解説することとします。
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図2:承継するものは 人、物、金、知的資産


事業承継のパターン
  事業承継は、大きく(1)親族内承継、(2)従業員等承継、(3)第三者承継 の3つのパターンに分けられます。
(1) 親族内承継
 親族内承継は、事業承継全体の6割を占めており中心的な位置づけにあります。後継者教育や相続などがポイントになります。
(2)従業員等承継
  従業員等への事業承継は親族内承継に比べて課題が多く、資産の承継や個人保証・担保の処理に問題が発生します。
(3)第三者承継
  第三者への承継は後継者候補がいない場合に検討されるパターンであり、外部人材の招聘、M&Aにより事業や株式の譲渡を行います。事業の引継先との関係性や会社の価値などがポイントです。
3.どこで相談したらいいの?
ふくい産業支援センター等の支援機関など
 ここまでお読みになって、事業承継対策をすぐにでも始めないと、と思われた読者の方もいらっしゃるのではないかと思います。では、どこで相談したらよいのでしょうか。
  まずは、ふくい産業支援センターなどの公的支援機関へ相談してみてはいかがでしょうか。顧問税理士への相談を考えられる方も多いでしょうが、株価対策や相続対策など専門分野に偏る傾向があり、次のステップでも良いと思います。第一に会社の問題点を分析し、事業承継に向けた課題を整理し、事業のDNAである「知的資産」を後継者にバトンタッチするための準備が何より大事です。支援機関には企業へ専門家を派遣する支援制度もあり、事業承継の課題整理にも活用できます。
地域の金融機関
  平成24年11月に金融庁が発表した、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」によると、「顧客企業に対するコンサルティング機能の発揮」と謳い地域金融機関による主体的な経営支援への取り組みが求められています。つまり、金融機関が企業のライフステージに沿った経営支援に取り組んでいるのです。ほとんどの地域金融機関が、昨年8月に施行された「中小企業経営力強化支援法」に基づく「経営革新等支援機関」に認定されており、各金融機関では顧客企業からの経営相談体制を整えています。
4.中小機構北陸の事業承継コーディネーターのご紹介
地域の支援機関・金融機関をバックアップ
 前項で、事業承継の支援に取り組んでいる支援機関や金融機関のお話をしました。私ども中小機構北陸では事業承継コーディネーターが3名在籍しており、こうした事業承継対策の取り組みを行う北陸3県の支援機関や金融機関をバックアップして事業承継が円滑に進むようお手伝いしています。具体的な活動は、支援機関の体制整備や人材育成が主ですが、支援の一環として直接経営者のご相談に応えることもあります。また、事業承継対策の必要性について普及活動を行うほか、全国各地の支援事例やノウハウの収集、地域の支援機関・金融機関とのネットワーク形成も実施しています。
中小機構の「経営後継者研修」について
  中小機構では、事業承継に関する支援メニューとして「経営後継者研修」を用意しています。これは、将来の後継者を対象とした10ヶ月間・全日制の育成プログラムで、経営後継者に必要な基本的能力や知識を実践的に習得するとともに「本気で経営者になろう」と気持ちが変わる本格的研修です。これまでに690名以上の卒業生を輩出し、30年以上の歴史と実績に裏打ちされています。業種・業界・地域をこえた全国の後継者と共に学びあうことは、研修後もお互いに刺激しあい切磋琢磨できる真の人脈作りができます。ぜひご活用ください。
いかがでしたか。次回は、「事業承継も”計画”が大事」と題し、事業承継計画の具体的な中身や作成方法、事業承継にかかる国の支援施策について解説します。お楽しみに。
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執筆者 竹川 充 氏
独立行政法人中小企業基盤整備機構 北陸本部 事業承継コーディネーター
  
2012年度に「事業承継コーディネーター」に登録。中小企業の事業承継に関する相談への対応・助言、各種セミナー講師等の活動を行う。
また、経営コンサルタント会社、MITコンサルティング(株)の代表取締役を務める傍ら、ふくい産業支援センターの「新事業コーディネータ」として、経営戦略や財務戦略、事業承継を中心に、中小企業の課題解決に取り組んでいる。
中小企業診断士。

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