« 2013.04 技術開発部通信
<第12回>
| メイン | 2013.04 TOPICS 販路開拓をサポートする取り組み
      福井貨物自動車株式会社 »

2013.04 嶺南企業探訪(6)/吉田桶樽商店

国産材使用の食品向け小型樽を
ネットの積極活用で全国へ発信

  嶺南地方の名産品として知られる『小鯛のささ漬け』。その存在を特徴づけているのが、3枚におろされた小鯛がおさまっている小さな樽です。小浜市に本社を置く吉田桶樽商店は、その樽を国産材で製造している全国でも数少ない企業。長年地元向けの製造・販売を続けてきた同社は、約1年半前にウェブでの直販を開始、着実に実績を重ねているところです。ウェブ活用に至った背景とその反響について、営業・経理担当 チーフマネージャーの吉田近氏に話を伺いました。

yoshidaoketaru_3.jpg

吉田桶樽商店では、安全・安心・高級感にこだわり、高級建材用国産杉を使用。
『小鯛のささ漬け』に同店製の樽が使われています。

ウェブ活用の手始めに
展示会で生の声を収集

 同社が得意とする小ぶりの樽が普及しはじめたのは、昭和40年代のこと。地方の珍味としての笹漬けに注目が集まり、一部工程の機械化と、現在もポピュラーなプラスチック製の〈タガ〉を採用したことで大量生産が可能となりました。1927年創業で、かつては風呂桶や醸造樽も作っていたという同社の歴史において、いくつかの転換点を挙げるとすれば〈機械化とプラ製タガによる大量生産〉があるでしょう。
 今回紹介するウェブでの情報発信も、同社にとっての大きな転換点です。そのプロジェクトに尽力しているのが、10年以上にわたり同社の管理部門を担当している吉田氏です。

「取引のある銀行の方から、以前より直販をおすすめするお話はありました。とはいえ長い間、問屋さんを通じての商売、というスタイルだったのでお客さんの声を直接聞く機会がなかったんです。そこでまず、展示会に出展して〈木樽に対する消費者の声〉を拾うことから始めていきました」

yoshidaoketaru_2.jpg

1個1個丁寧な手作業で樽づくりに励みます。


サイト開設1年半で
35道府県に納入実績

 吉田氏が出展先に選んだのが、ふくい産業支援センターで毎年9月に行われる『ふくい元気企業フェア』でした。2011年、初めて同フェアに参加した同社は来場者に向けたアンケートを実施、145件の回答を得ました。

「『贈答用・お土産用に、木製樽に入った商品とプラスチック製樽に入った商品が並べてある場合、どちらをお選びになりますか?』という質問をしたら、木樽をお選びになるという回答が約83%あったんです。直販体制を進める自信がついて、ホームページ制作という段階に進むことになりました」

  贈る側のあたたかな気持ちを、高級感とともに届けることのできる木樽。その直販・情報発信のツールとして選んだのが、グーグルが全国の中小企業向けに展開するサービス『みんなのビジネスオンライン』でした。吉田氏はこのサービスを使い、ほとんど自力でサイトを制作。ブログやフェイスブックページとも連動させ、コンテンツの充実と細やかな情報発信を進めていきました。
  「小さい樽の製造会社が全国的にも珍しいこともあり、おかげさまで、全国35道府県に弊社の木樽をお届けすることができています。容器に気を配るオーナーさんだけに、食に対する思いの強い方が多いですね」。小浜市の食育サポーターを長く務めている吉田氏も食に対する思い入れが人一倍強く、商談のときも話が盛り上がるそうです。

yoshidaoketaru.jpg

若狭一体の地域活性化を目指し、小浜市の「はまかぜ通り商店街」と市内の中小企業が
『みんなのビジネスオンライン』を使ったホームページを作成。
その取り組みについてプレスにも発表しました(2011年3月 はまかぜプラザにて)。

yoshidaoketaru_4.jpg

『みんなのビジネスオンライン』でのPR動画。
画像をクリックすると紹介HPへリンクします。


インテリア雑貨など
個人向け市場も視野に

 
  夫であり同社3代目の吉田嘉男氏が製造現場を率いて樽作りに打ち込み、奥様の近氏がウェブを通じての情報発信に集中する。うまく役割分担をして二人三脚で取り組んだ結果、サイト開設からわずか1年半で〈届けていない都県の方が少ない〉という実績につなげることができています。

「企業のネット活用に関する勉強会にもよく参加し、SNSなどを通じて全国の方々とつながることができました。弊社は現状、個人の方とのお取り引きはほとんどありません。でも、私の書いたブログやフェイスブックページへの書き込みをシェア(転載)してくださって、サイト流入の増加につながっている。サイトを育てることが、自分や自社を育てることにつながっているのを肌で感じると、『成長は子どもだけの特権じゃない』と思います」

 今後は製品の特徴を生かし、個人向けインテリア雑貨への展開や海外展開も進めていきたい、と意欲を見せる吉田氏にウェブ活用の秘訣を尋ねてみました。

「ウェブを活用できても、お客様への対応がまずければ台無しになってしまいます。そうした事態にならないよう、まずは生産計画などの数値を社内で共有化し、受注の仕組みをしっかりと整えることが大切でしょうね。そうした手順をはじめさまざまなことを教えてくださった先生方には、今もメールやフェイスブックでご指導いただいていて、感謝の思いでいっぱいです」

  年内の目標は、残り12都県に樽を届けて木樽の良さをより多くの方に知ってもらうことです!と、吉田氏は力強く締めくくってくださいました。

yoshidaoketaru_interview.JPG
営業・経理担当 チーフマネージャー:吉田近氏(左) 代表:吉田嘉男氏(右)

●企業情報●
吉田桶樽商店

小浜市小浜日吉51-1
代表者:吉田嘉男氏
事業内容:業務用小型桶・樽の製造・販売
従業員数:5人
TEL:0770-52-2132

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.fisc.jp/mt/mt-tb.cgi/4242

当センター事業サイト