vol.023/2017.2.25 もくじ 【掲載内容】

vol23_hyousi .jpg【特集】生産性効率アップに向けた学びの場
    ~『福井ものづくり改善インストラクタースクール』を振り返る~


(1) イントロダクション
 スクール統括責任者 窪田正明氏による振り返り

(2) 現場改善実習レポート1
 ㈱日本エー・エム・シー × 清川メッキ工業㈱

(3) 現場改善実習レポート2
 ㈱TOP × サカセ化学工業㈱

(4) 現場改善実習レポート3
 山金工業㈱

(5) 【著書紹介】ものづくりインストラクタースクール発足へ
 東京大学大学院教授 藤本隆宏氏の著書等

(6) 現場改善の3つの視点と県外企業事例
 「鳥」、「魚」、「虫」の目による改善




【シリーズ】 完成への道のり
《第23回》 長谷川造園株式会社
【シリーズ】 「第3の目」の使い方
《第6回》 後継者育成・事業承継
【シリーズ】 脱ITオンチ経営
《第6回》 情報セキュリティ対策
【シリーズ】 福井のスゴ技 探訪
《第6回》 漆の精製/有限会社辻田漆店
        【スゴ技 動画はこちら】
【シリーズ】 飛躍する経営者たち
《第23回》 久保 透 氏/株式会社カワムラモータース 代表取締役社長
【シリーズ】 グッドデザイン シンキング
《第12回》 リーディンググラス/有限会社ビューマスター

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スゴ技 動画
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vol.022/2016.12.25 もくじ 【掲載内容】

vol.22表紙.jpg【特集】自社のファンをつくり出す
    ~顧客との距離を縮める方法~


(1) クラウドファンディング 県内企業 成功事例集
 ㈱長田工業所、㈱ニッセイ、㈱小林大伸堂

(2) 「子供の成長」を願い、ランドセル店を核にコミュニティ作り
 山耕㈱

(3) ブログ・SNSで楽しく発信し続け「共感」を生む
 ㈱あめりか屋

(4) こだわりの発信と体験を通し、強いファンをつくり出す
 マルカワみそ㈱

(5) 【コラム】メールやメッセージで顧客の心をつかむ
 ima management代表 土谷久美子 氏

(6) 【座談会】自社ファン獲得のコツ
 経営者 × ウェブマーケティング専門家 × 大学生




【シリーズ】 完成への道のり
《第22回》 ファニチャーホリック
【シリーズ】 「第3の目」の使い方
《第5回》 アクションプラン作成・実行
【シリーズ】 脱ITオンチ経営
《第5回》 ITオンチでもわかる SNS入門
【シリーズ】 福井のスゴ技 探訪
《第5回》 木製バット作り/ゼットクリエイト株式会社 武生工場
        【スゴ技 動画はこちら】
【シリーズ】 飛躍する経営者たち
《第22回》 久保 透 氏/有限会社幸伸食品 代表取締役社長
【シリーズ】 グッドデザイン シンキング
《第11回》 ゴミ箱 [MOHEIN SWING BIN]/株式会社プラスティックス

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vol.021/2016.10.25 もくじ 【掲載内容】

vol.21_hyoushi.jpg【特集】出会いが生んだ新商品
    ~企業同士のコラボレーションによる商品開発事例集


(1) 対談企画① コンセプト作りと魅せ方で福井らしさをPR
 吉岡ロゴテック、㈱下村漆器店 × 産業支援センター

(2) 業界の垣根を超えた新商品開発 新価値・新市場の創造
 山久漆工㈱ × サイトウコムウェア㈱

(3) 異業種との出会いが苦手分野を克服
 ㈱シャルマン × ㈲シザース内山
   
(4) 対談企画② サポーターとビジネスモデルをカタチに
 ㈲オンフード、㈱システムエルフ × 産業支援センター

(5) 地元愛のコラボで〝新銘菓"を商品化
 ㈲チモトコーヒー × ㈲小堀菓舗

(6) 新素材と人材を福井から世界へ発信
 ㈱infoBANK、㈱バンブーグローバル × 福井文化服装学院




【シリーズ】 完成への道のり
《第21回》 越前酒乃店はやし
【シリーズ】 「第3の目」の使い方
《第4回》 経営計画・事業計画の作成/
【シリーズ】 脱ITオンチ経営
《第4回》 これだけは押さえたい!カメラの基本機能
【シリーズ】 福井のスゴ技 探訪
《第4回》 名栗加工/株式会社永尚
        【スゴ技 動画はこちら】
【シリーズ】 飛躍する経営者たち
《第21回》 平岡 和彦 氏/株式会社カンパネラ 代表取締役社長
【シリーズ】 グッドデザイン シンキング
《第10回》 レジ袋(キャリーカップ)/株式会社ミヤゲン

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vol.021/2016.10.25 出会いが生んだ新商品 ~企業同士のコラボレーションによる商品開発事例集
       対談企画 企業同士のコラボ +商品開発のサポーター

対談企画
コンセプト作りと魅せ方で福井らしさをPR
~企業同士のコラボ + 商品開発のサポーター


コラボレーションによる商品開発事例として、吉岡ロゴテック(福井市)の『起き上がり個箸』を紹介しましょう。眼鏡枠の加工技術を応用し、箸の内部に棒状のおもりを一体成型した商品で「転がしても必ず上を向く」という特徴から縁起物としての展開を進めています。開発に関わった同社代表の吉岡敦之氏、下村漆器店(鯖江市)営業部の下村一希氏、コラボを後押ししたふくい産業支援センターデザイン振興部の西山雅彦部長に、誕生の過程を振り返っていただきました。

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コラボでのモノ作りでは
職人との意思疎通も大切


―― 箸を作ろうと思われたきっかけと皆さんの出会いを教えてください。

● 吉岡
ひとりでに起き上がるベビースプーンを専門メーカーと共同で開発したことがあり「スプーンができたなら箸もできるだろう」という発想でした。福井だから漆塗りでと考えて下村漆器店さんにお声がけをしました。

下村さんと知り合ったのは5年ほど前です。自社開発商品の特許申請などの方法を聞きたくて、知人を介して紹介いただきました。

● 下村
お話しをいただき取り組みましたが、漆塗りはちょっとしたゴミも目立つので不良率低減が課題でした。変わった色味の試作品もありましたが、まずは黒と朱をベースにいこうと。

● 西山
今回のコラボには小浜のエクセルネットさんも参加されていますが、出来上がった商品を拝見し、加色を施した方が良いということで私が紹介しました。同社は、若狭塗箸の梱包資材などが主軸の会社で、経営基盤を強固にするため自社デザイナーの力を発揮できる受注先を探していましたのでマッチングを行ったというわけです。


展示会で人の心をつかむ
「3秒・10秒の法則」


―― 商品が出来上がり2015年2月の『東京ギフトショー』に出展しました。一膳6000円という比較的高めの価格設定でしたが反応はどうでしたか。

● 吉岡
当初から高級志向を狙いました。細い棒の中に芯を入れる眼鏡加工技術で箸を作る機会はそうそうないので、作りたいモノを作りました。

● 西山
福井県ブースでの一商品という位置付けでしたが、高級志向の魅力が十分に生かされていない反省点もありました。


―― どんな点に不足を感じたのでしょう。

● 西山
展示会では一瞬で相手の心をつかむ仕掛けが肝要で、私は「3秒・10秒の法則」と呼んでいます。遠巻きに歩く人を3秒で振り向かせ、近づいてきたら10秒で理解できるよう、ブースや頒布物を作る必要があります。

● 吉岡
実はこの展示会が西山さんとの出会いで、反省点を踏まえてコンセプトを話し合い、翌年の展示ではシンプルに訴える方針を固めました。

● 西山
展示会出展は自社商品のPRが一つの目的ですが、他社の動向調査もできますし、他社とのコラボレーションの糸口にできる利点もあります。


―― ブースでのプレゼンテーションで気を付けるべきことはありますか。

● 西山
「なぜ福井か」という疑問に答えることです。この箸でいうと、福井が国内トップの眼鏡枠産地であると説明した上で、その加工技術を応用した商品であることを伝える。さらに、雑貨類なら手に取ってもらい、食品なら試食してもらう。五感で商品を感じてもらい「おっ」という反応があればOKですね。


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中心から少しずらしておもりを内蔵することで天面が常に上向きで止まる仕組み


「本来のデザイン」学び
企画力・提案力の向上を


―― 複数企業によるコラボの面白さや、今後の抱負をお聞かせください。

● 吉岡
当社はもともと眼鏡枠などの特殊印刷を軸にしており、受注の波を平準化させる目的で自社開発に乗り出した経緯があります。今後も新たな企画を進めるつもりですが、眼鏡など地元の技術を起点に考えていきたいですね。

● 下村
塗り箸のノウハウができたので、他にも箸に関するコラボができないか模索中です。当社としては、企画力・提案力の向上が課題です。


―― ふくい産業支援センターでは、生活者が抱える課題をデザインの力で解決する思考を養成する『デザインアカデミー』を開講していますよね。

● 西山
県内企業の多くはデザインを「意匠」「図案」「造形」として捉えている傾向があります。しかし本来のデザインとは、人間に本当に必要なモノの見いだし方、素材の発想、 商品の魅力を伝える技術など全体を捉える「マネジメント」です。マネジメント技術を学び、企業のデザイン力向上につなげていただければと思います。




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vol.021/2016.10.25 出会いが生んだ新商品 ~企業同士のコラボレーションによる商品開発事例集
       山久漆工株式会社 サイトウコムウェア株式会社

山久漆工株式会社 サイトウコムウェア株式会社


業界の垣根を超えた新商品開発 新価値・新市場の創造
~伝統工芸 × 県外異業種企業

室内で盆栽と錦鯉を閉鎖型生態系循環システム(アクアポニックス)で育てるインテリア商品「渓アクアポニックインテリア 山水の美」。愛知県のサイトウコムウェア株式会社が企画・開発したこの商品に、高度な漆塗りや蒔絵技術で更なる日本美の演出を施したのが、鯖江市河和田で越前漆器の製造販売業を営む山久漆工株式会社です。この県外の異業種企業とのコラボレーションがどのようにして実現していったのか、山久漆工株式会社の代表取締役山本泰三氏とサイトウコムウェア株式会社の代表取締役大井徹也氏の両氏に話しを伺いました。

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日本美と自然生態系の融合
高級インテリアで日本の伝統的な美意識を世界へ発信


山久漆工株式会社は、漆の新たな付加価値を高めるため、従来の食卓を飾る器のみならず、ジュエリーや化粧品関連、インテリアといった新しい分野の企業とのコラボレーションにより、漆塗りの新たな挑戦を続けている会社です。

そんな同社がサイトウコムウェア株式会社と出会ったのは、同社の代表取締役の大井徹也氏から、商品の本体に漆を塗りたいと依頼を受けたことがきっかけでした。同社は、主に法人向けにテレビ受信関連機器を開発・製造・販売する事業を営む愛知県のものづくり企業です。

大井氏は、海外で人気が高まっている「アクアポニックス」(図1)に日本の伝統美を融合することで、今までにない全く新しいインテリアを創出したいと、パートナーを探していたところでした。そんな中、知人から山久漆工さんを紹介されたそうです。

意気投合した両社は、コラボレーションを開始。この商品コンセプトに沿った漆と蒔絵のイメージを双方とことん協議しながら現場にも足を運び、約半年かけて商品が完成しました。


新たなことに挑戦したい
お互いのニーズがマッチしコラボレーションが実現

大井氏は、「山久漆工さんに出会えたからこそ、この商品を完成することができた」と言います。「山久漆工さんは、スタンスがオープンで、新しいことに対して積極的に取り組んでいく姿勢があります。

実は、別の産地の企業にも漆塗りのお願いをしたのですが、諸事情による大失敗に終わり、半ば諦めの気持ちでいた時に、山本社長に出会ったのです。山久漆工さんはこれまでに様々な企業とコラボレーションを実現されている実績と経験があり、弊社が話を持ちかけた時にも快く引き受けてくださいました」。

一方で山久漆工株式会社にとっても、今回のコラボレーションは非常にメリットがあったと山本氏は話します。
「今までとは大きさも形も異なるものに漆、蒔絵を施すということで、職人にとっては、相当な挑戦、苦労でした。しかし、職人の仕事に注目してもらう機会が増え、自分たちの仕事に自信を持ってもらえるようになったことは、職人の後継者不足という問題があるなかで、とてもプラスになりました。また、漆の新しい価値の創造にも繋がったと思います」。


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Win-Win-Winの関係がコラボ成功の秘訣
商品完成後も共に苦労をする姿勢を大事に


コラボレーション成功の秘訣について、「All-Winの関係でないと成立しません。自社、パートナー企業、そして商品を買ってくださるお客様。それらにとって良い関係を円滑に行うだけでなく、社会(地域社会)にも貢献しないといけません。」と語る両氏。

加えて山本氏は「メーカー同士でコラボをした場合、今まで間に入っていた問屋、販売会社がいないので、一緒に売り込んでいくという点も大事です。作っておしまい、その時だけの発注一発で終わりではなく、お互いの市場で頑張って売るところまで一緒に汗をかいていきましょう、と。そういう関係を築くことがとても大切だと思います。
そうすることで、人との繋がりやネットワークが広がっていきます。コラボレーションの良いところは、そういうところにあるのだと思います」と、コラボの醍醐味について語ってくれました。


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サイトウコムウェア株式会社 大井徹也氏(左)、山久漆工株式会社 山本泰三氏(右)


山久漆工株式会社
所在地:鯖江市河和田町20-4-6
電 話:0778-65-0101
代表者:山本 泰三 氏
資本金:1,000万円
従業員数:6名(専属契約・専門職人25名)
事業内容:越前漆器製造販売


サイトウコムウェア株式会社
所在地:愛知県名古屋市北区五反田町34番地
電 話:052-901-4151
代表者:大井 徹也 氏
資本金:4,000万円
従業員数:5名
事業内容:TV受信機器製造業・ライフスタイル事業




vol.021/2016.10.25 出会いが生んだ新商品 ~企業同士のコラボレーションによる商品開発事例集
       株式会社シャルマン 有限会社シザーズ内山

株式会社シャルマン 有限会社シザーズ内山


異業種との出会いが苦手分野を克服 手術用はさみの開発が実現
~新分野展開企業 × 職人型ものづくり企業

総合メガネフレームメーカーとして知られる株式会社シャルマン。近年、メガネフレームの開発・製造で培った最先端の技術を活かし、チタン製品を中心とした眼科用手術機器、脳外科用手術機器の開発など、医療分野への展開を果たしています。今回はそのなかから、同社にとって難関となった、脳外科手術用はさみについて、開発を担当された株式会社シャルマンメディカル事業部の明頓(みょうとん)隆太郎氏と、技術提供を行った有限会社シザーズ内山の代表取締役社長 内山喜晴氏の双方に話しを伺いました。

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(左)医療用の脳外科手術マイクロ剪刀。
(右)取材当日もフィリピンの代理店の視察団が本社を訪れていました。


『シザーズ内山さんのおかげで
未知の世界だった「切る」という原理・技術を習得できました』

そもそもシャルマンが脳外科手術用はさみを開発することになったきっかけは、2009年の5月に遡ります。北里大学の清水教授からの要望に応えて縫合用のピンセットの開発に成功した同社は、「ハサミもできないか」と眼科用のはさみの開発に乗り出しました。

どうせやるならチタンでの開発に、と着手した同社でしたが、何とか形にはできたものの、大きな問題点にぶつかります。チタンは血液が付着しにくく、生体適合性が高いため安全性が高いなど医療用の素材としてのメリットは高いものの、刃がやわらかく、切れ味が悪いという欠点がありました。また、そもそもはさみの"切る"という仕組みについて理解が不足していると感じていたといいます。

"切れ味"ついては、武生特殊鋼材株式会社(越前市)から医療用素材の提供を受けて解決しましたが、"切る"ということについては担当の明頓氏もこれまで全く経験が無く、自分一人の力ではどうすることもできなかったので、教えてくれるところを探していたと言います。そんな時、石川県で開催された展示会で出会ったのが、シザーズ内山の専務取締役の内山剛宏氏でした。


偶然近くにブースを構えることになったご縁を頼りに、後日改めてお話しできないかと内山剛宏氏に連絡を取ったところ、快く了承してくれたと明頓氏は語ります。
実は、シザーズ内山の先代社長の内山昭克氏は『現代の名工』と言われる、素晴らしい技術の持ち主。「ブースで声をかけた時には、そんなすごい方がいらっしゃる会社だとは知らず、後で冷や汗をかきました。」と当時を振り返ります。

その後、昭克氏より社長を引き継がれた現社長の内山喜晴氏のもとではさみの原理について教わり、その知識を活かして商品化を進めました。


「はさみの"切る"というところは、もともと持っている技術ではなかったため、苦労しましたね。内山さんには、快く指導を引き受けていただき、こちらの質問や要望にもすぐに答えてくださいました。大変感謝しています。」と明頓氏。
医療現場の要望に応えたいという一心から始めた医療用はさみの開発。製品化したはさみは良い評価を受け、現在は、はさみの開閉の滑りの良さや、医師の先生方それぞれの感触や切れ味の好みに合ったはさみの改良を続けているとのことです。


   hasami2-vol21.jpg   hasami-vol21.jpg

(左)シザーズ内山の理美容はさみ
(右)はさみを研ぐ様子

『弊社は技術提供を行っただけです。それよりも
シャルマンが弊社に与えてくれたものの方がはるかに大きかった』

有限会社シザーズ内山の代表取締役社長 内山喜晴氏は、シャルマンからこの話が持ち上がった当時の様子を次のように振り返り語ります。

「まずは、一本のお電話からでした。シャルマンでは、医療分野に着手しているが、はさみの部分がどうしてもうまくいかない。一度会って話ができないかという内容でした。その後、弊社に最初にお越しいただいたのは、堀川馨会長と岩堀一夫専務です。堀川会長のような立場の方が、弊社のような小さな中小企業にわざわざ出向いて来られる。それだけでも驚きでしたね」。


最初のシャルマンからの提案は医療用はさみの製造依頼でしたが、同社は理美容のはさみを作っている小さな会社なので、その場ですぐお断りをしたとのこと。それを受けて次は、はさみの原理を教えてほしいとの依頼でした。

「シャルマンさんも困っておられるようでしたし、知っていることをお教えするだけならば、とお受けすることにしました」。内山氏は、今回の話を引き受けられた理由をシャルマンの思いに共感できたからだと語ります。
「弊社が作っているものは、理美容のはさみという"道具"であり、理美容師が使って初めてサービスになります。ですから彼らに使い勝手を教えてもらいながら、日々改良しています。医療と理美容という、用途は全く異なるものですが、使い手の意見を聞きながら、使いやすい"道具"を作りたいという気持ちはよくわかりました。

また、弊社が大量生産ではなく、受注生産の開発型の会社であったので、シャルマンさんの要望にも応えられたのだと思います」。さらに内山氏は続けます。「弊社は単に自分たちが持っているノウハウを提供しただけで、そこからものにされたのは、明頓さんの努力と、シャルマンさんが使命を持って続けて来られた結果です。反面で、シャルマンさんとの出会いで、弊社にもたらされたものは非常に大きいです。


私自身も、堀川会長と出会うことで、大きな影響を受けました。もの作りの大先輩として、世界に向けてものを売り出していくノウハウや海外ルートの開拓等、お金では得られない、大切なことをいろいろと教えていただきました」。これまで理美容はさみの生産一本で事業を行ってきたシザーズ内山。シャルマンとの出会いで、今後は新たな分野にも挑戦しようと取り組んでいるそうです。



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   IMG_7720.JPG  IMG_7801.JPG

株式会社シャルマン 明頓隆太郎氏(左)、有限会社シザース内山 内山喜晴氏(右)


株式会社 シャルマン
所在地:鯖江市川去町6-1
電 話:0778-52-4141
代表取締役会長:堀川 馨 氏
代表取締役社長:宮地 正雄 氏
資本金:6億1700万円
従業員数:1,948名
事業内容:メガネフレーム、サングラスの商品企画・ デザイン・製造及び販売 / 医療器具の開発及び製造・販売


有限会社シザーズ内山
所在地:大野市中保5-1-5
電 話:0770-21-0141
代表者:内山 喜晴 氏
資本金:500万円
従業員数:6名
事業内容:理容・美容鋏の製造




vol.021/2016.10.25 出会いが生んだ新商品 ~企業同士のコラボレーションによる商品開発事例集
       対談企画 企業のコラボ + 新事業のサポーター

対談企画
ビジネスプラン作成からパートナー探しまで
サポーターとビジネスモデルをカタチに


福井県産業情報センタービル7階に設置されたコワーキングスペース。有限会社オンフードの西村成弘氏は、ここでの様々な「出会い」がきっかけとなり、福井市が主催する「福井発!ビジネスプランコンテスト2015」でグランプリを受賞した、独自のビジネスモデルをアプリとして商品化することができました。

釣り人が、これまで釣具店などで購入するしかなかった遊漁権をオンラインで購入することができたり、ご当地の食事処や宿泊観光施設などの情報を共有できるアプリで、9月末から試験運用にこぎつけています。

ビジネスプランの作成からアプリ開発にいたるまでに西村氏が出会ったキーパーソンとなる4人の方々にお集まりいただき、どのようにして出会い、人との交流からビジネスモデルの構築が進んでいったのか、当時を振り返りながらお話しいただきました。


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―― 津田先生に相談することでビジネスプランが確立

● 大木
このビジネスモデルを思いついたきっかけは何だったんでしょうか?

● 西村
当時、私は福井県立大学の大学院に通っていまして、研究テーマが地域活性化でした。実は津田先生は、12年前に、現在経営している会社を立ち上げる際に助言指導いただき、それ以来お世話になっています。津田先生は福井のことについていろいろと詳しいので、大学院の研究のことでも当時からご相談させていただいていました。

卒業研究のテーマとして川の活用を選んだのですが、そもそも私自身がそれまで釣りをやったことがなかったので、釣りをしてみて、「遊漁権はどこで買ったらいいんだろう?」とそういう発想からこのビジネスモデルに繋がっていきました。

● 津田
コンテストに応募するということだったので、オンラインで遊漁権を購入できるだけでは厳しいという話をしましたね。川周辺のレストランや旅館といった田舎で働く人たちの活性化、グリーンツーリズムで都会から人を呼び込み、田舎の暮らしを体験してもらうことで、釣り人がまた来てくれる仕組みなど地域環境の保全活動を取り入れることを盛り込んで内容を詰めていきました。


―― コワーキングでのいろいろな人たちとの出会い

● 大木
アプリ開発のビジネスプランを実現化するのに、ITの知識が必要だということで私のところを尋ねて来られたのですよね。

● 西村
本業は、飲食業でして、ITは異業種中の異業種でしたので、「ITについて詳しい人はいませんか」と津田先生に相談したところ、紹介していただいたのが支援センターの大木さんでした。さっそく「7階のコワーキングスペースに行ってみましょう」と勧められ、そこに通いながら、自分自身のITの知識を深めていきました。

● 津田
コワーキングにはいろんな人がいてアイデアを膨らませたり、お互い相談し合うことができます。また、ここにいる人がネットワークをそれぞれ持っているので、繋がりを広げることができますね。

● 西村
コワーキングに、いた人になりふり構わず自己紹介して話しかけました。「こういうことがしたいけど、実現可能ですか」と。みなさん、いろいろとお話ししていただいて、様々な視点から意見をもらえたのは非常に良かったです。


―― システム開発段階でシステムエルフの坂井社長との出会い

● 西村
実は、ビジネスプランコンテストでグランプリを受賞して、補助金の申請が通った後も、これが本当に収益モデルとしてできるのか、と一度立ち止まりました。その際、津田先生や他の専門家にも相談して、ユーザーの規模がどのくらいだと採算が取れるかなど、緻密な計算を行いました。そこで、今やろうとしているモデルならできるだろうということで、プランから実行にGOをかけました。

● 大木
アプリ開発の際、良いパートナーが見つかったのも大きかったですよね。

● 西村
何社かご提案をいただきましたが、システムエルフさんの提案は仕様、価格ともに見ても圧倒的に良く、見た瞬間、やろうと思いました。ITについてあまり詳しくない私にも、いつもわかりやすくアドバイスをいただけますし。「こんな風にしたい」という要望をうまく汲み取ってくれます。

● 坂井
いえいえ、西村さんはITの知識がある方だと思いますよ。打ち合わせもスムーズですし、いつもご自身で勉強されているので、すごいなと思います。

● 西村
今後も信頼できるパートナーとして、ぜひお付き合いください。

● 坂井
ありがとうございます。弊社では、今まで基本的に製造業向けの基幹システムの開発メインでしたが、共同開発のお話を頂いたことで、今まで自分がやっていたこと以外にも取り組むきっかけになりました。いろんな人と出会うことで仕事の幅は広がっていきますね。

● 大木
ビジネスモデルで「こういうことをしたい」と漠然と思い描くところまではみなさんできるのですが、今回の事例のように実現する具体的な方法や、どの技術を使って実装していくかというところまで固められる方は少ないのが現実だと思います。

コワーキングスペースは多様な人が集まる場です。必ずしも今回の事例のようにうまくいくと限りませんが、多くのアイデアや人材と繋がる貴重な場であることは確かですので、これからもビジネスモデルの具体化を目指す場として多くの方に活用していただきたいですし、当センターとしても積極的に支援していきたいですね。


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28年9月末から坂井市竹田川漁協や竹田の商店施設(ちくちくボンボンや谷口屋)
と連携して実証化試験を実施。その後、県内の他地域の河川に展開していく予定です。






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当センター事業サイト