技術開発

ヨシダ工業株式会社

木管楽器部品を導人ロボットで研磨する技術を産学官連携で開発

<活用事業>

  • ふくいオープンイノベーション推進機構(FOIP)技術相談
代表者名
吉田 俊博
所在地
鯖江市
業種
医療用機械器具製造業
事業内容
医療精密部品、木管楽器部品、眼鏡部品 等の金属加工
掲載パンプレット
2021 fisc総合パンフレット

事業活用までの経緯

同社は眼鏡部品製造から木管楽器金属部品や医療機器部品製造等へと主事業の転換を図り、高級国産木管楽器の部品製造で高いシェアを誇る。木管楽器部品には、外観が重視されることや、音色に影響を与えることから、研磨作業が必須で、従来は眼鏡業界の研磨熟練工に外注してきた。しかし眼鏡業界での担い手不定から、熟練工を育成し内製化を進めてきたが、後継者の育成が課題であった。そこでその課題を解決する為に人的リソース代替、安定品質での省力化、作業者環境の維持を目的とするロボット導入を代替手段として考えた。ロボットメーカーは複数あるものの、同社の研磨技術に応用することが困難であった。そこで、FOIP (ふくい産業支援センターが相談窓口)に相談したところ、ロボット制御を隈内大学で、研磨精度の評価を隈工業技術センターが担当する体制と、票産業労働部の産学官連携補助金の活用を推奨された。

活用内容

6軸垂直多関節型ロボット(写真1) のアームが楽器部品を持ち、回転する円盤状のパッドに接触させることで研磨する(写真2) 際の、保持機構の工夫や、力加減としての接触トルク感知など、熟練工の作業をイメージしてロボット導入を設計、ロボット研磨システムとして開発に成功、実証評価も実施したことで高レベルの品質確保に成功している。研磨作業の評価として表面粗さ試験を実施し、熟練工加工品とロボット加工品とを比較し、外観仕上がりがほぼ同品質であることを確認した。また、フルート製造メーカーにおいて製品を組立て、従来品と同様の音質であること力囃認できた。今後、部品点数を増やしていくと同時に、他の工程にも水平展開していきたい。

利用された企業様の声

常務取締役 井上 章 氏

従来は眼鏡業界や自社で育成した熟練工の研磨技術に頼ってきました。この動作をロボットに高いレベルで再現させることは、自社だけでは困難でした。専門家の知識やアイディアを得ることは、中小企業にとっては必須であり、今後も課題解決に利用していきたいと考えております。

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